一般に「努力することはいいことだ」と思われています。

努力しないよりはしたほうがいいのは、なんとなくでも分かります。

仕事や勉強、トレーニングでも、一定の努力は必要です。

それで努力をすればいいと単純に考えていたとしても、そこには大きな落とし穴があるのです。

今回は、いい努力とそうでない努力を「努力の量と質」という観点でお伝えししていきます。

努力の量と質

例えば

・遅くまで残業して、ギリギリまで粘ってから帰る。
・1分、1時間でも長く時間をかければ、それを突き詰めるのは立派なことだ。
・今日はいつもよりも長く1時間ジムに滞在した。

これは努力の意識が量なのか、質なのかという問題があって

よくある会話に

「走りに行ってきた」という話

「へ〜どれくらい走ってきたの?」と時間とか距離などの量を聞いてくる人が多いのですが、そこで「○時間くらいかな」とか「○km走ったよ」と答えると「すご〜い!」となります。これが努力の基準を量に置いている人の特徴です。

反対に

「どのように走ってきたの?」と方法とか目的意識などの質を聞いて

「スタートの素早い動きを意識して走ってきた」とか「スタミナ強化とスピードアップを目的にビルドアップ走したよ」みたいな会話になると、これが努力の基準を質に置いている人の特徴です。

量も質もどちらも大事だと思いますが、努力に関しては、はたして量が大事なのか?質が大事なのでしょうか?

努力の量

 

まず最初から質を高めろと言われても簡単にはできません。初めは、とにかくたくさんやることが重要だと思います。

実際にたくさん行動することでしか分からないこともあるはずですね。

例えば、体力をつけるためには、最初はランニングや筋トレなど、基本的なトレーニングをコツコツと続けることが大切です。

しかし、がむしゃらに行動し続けて量をこなすだけでは限界にぶつかってしまうこともあるでしょう。

 

とは言っても、成功している人の多くは、才能の持ち主でない限り圧倒的な努力を積み重ねているのです。

例えば、元メジャーリーガーのイチローが小学校の卒業文集に書いた作文を知っている人も多いでしょう。

3年生の時から今までは、365日中、360日は、はげしい練習をやっています。
だから、一週間中で友達と遊べる時間は、5時間 – 6時間の間です。

ものすごいハードですよね。

努力の質

 

質を高めるためには、正しい努力をするための方向性が大事です。

まずは目標設定を明確にしてみましょう。

明確な目標を設定することは、努力を効果的に使うために重要です。目標が明確であれば、その目標に向かって努力することが容易になります。

そして、目標を達成するための計画を立てることも重要です。スケジュールを作成し、優先順位をつけてタスクを段階的に実行することで、効率的に努力を続けることができます。

量質転化の法則

このように述べていくと量も質もどちらも大事であると思います。

量と質で考えるうえで参考になることは、ドイツの哲学者であるヘーゲルが説いた弁証法の基本三原則である量質転化の法則があります。

この法則は、物事が変化する過程において量的な変化が一定の段階で質的な変化を引き起こすことを示しています。

これは自然界や社会現象においてしばしば観察される現象であり、ヘーゲルはこれを弁証法の中心的な原理の一つとして位置付けました。

量的変化(量): 最初には、何かがたくさんあったり少なかったりする量の変化を考えます。例えば、お菓子がたくさんある袋から1つずつ取り出すと、袋の中身の量が減るのが量的変化です。

質的変化(質): その量の変化が一定のところまで行くと、物事の性質や状態が変わります。例えば、お水を氷の温度から徐々に温めると、氷が水に変わるように、物質や状態が変わるのが質的変化です。

質的変化に伴う量的変化(転化): 質的変化が起こると、また量的な部分も変わります。例えば、お水を沸騰させると、水が蒸気に変わって量が減ります。

つまり、量質転化の法則は、物事が変化するとき、最初に量が変わってその後質が変わり、その変化に伴ってまた量が変わるということを示しています。これはお菓子の袋からお菓子を取り出す、水を温めると蒸気に変わる、など日常生活でも見られることですね。

質を高めたいのであれば、質が変化するまで量をこなす

 

量質転化の法則を考えると、まず大切なのは「量を積み重ねて質的な変化を起こすこと」です。

例えば、トレーニングをするときには、ただ鍛える量を増やすだけでなく、正しい方法で行うことが重要です。間違った場所を鍛えても、本来の目的を達成できません。

ですから、正しい方法を見つけて意識的に取り組み、継続することが大切です。失敗しても試行錯誤しながら取り組む力も必要です。

量や質は重要ですが、最初から方向性を間違えてしまうと、努力が意味をなさなくなってしまいます。

これらを踏まえたうえで努力していき自信をつけていきましょう。